涙の理由

指導しているスクールで小学6年生の子達はこの前の11月に卒業しているので、来年の1月からはセカンダリースクールに進むことになる。

任地のクダ州には（恐らくどの州にもあると思う）スポーツ学校があって、サッカーをレベルの高い環境で続けたい子達は大体そこを目指すこととなる。

このスクールの子達もその学校への進学を目指す子もいて、入り方とかは詳しくはわからないのだけれど、その学校から将来的に地元のプロチームに進む子も多いことを考えると、それなりのサッカーレベルにないと入れないのだと思う。

さて、本題。

先日の大会で決勝でスクールのチームは負けたのだけれど、その後涙を流して泣く子がいた。

その涙を見て、ああ、悔しくて泣いてるんだ、そういう気持ちっていいなあと思いながら見ていた。

後日談でスクールのマネージャーから聞いた話だと、

マネージャーが泣いている子に理由を尋ねたところ、彼はスポーツ学校に入りたいのだけれど、お金が無いから入れるかどうか分からないと。

今回優勝して、その時にもらえるお金を入学金にする（足しにする？）という予定だったらしい。

それが優勝できなかったが為に、もらえる金額も下がり入学が危ぶまれていると。

確かにこちらの大会では小学生の大会でも現金、それもそれなりの額日本円で優勝チームには10万円とか、がもらえる。

こちらで10万円となればかなりの金額。

チームで割ったとしても9人制の大会だから小学生の子でも1万円とか貰えるわけだ。

マレーシアはもう既に先進国に近いレベルに発展してきているし、周りを見ても生活に困っている人をそんなに見かけない。（とはいえ物乞いはたまにいる）

なので、こういったお金が無いから学校には入れない、といったことが起こるとは思わなかった。

彼は12歳の時点で既に自分でお金を稼いで、どうにか自分の夢を叶えていきたいと思っていると。

日本でもあるのかもしれないけど、あまり聞かないので、ハッとさせられ、ここはまだ発展途上国なんだと考えさせられた。